スペシャリストの活躍
精神科認定看護師
精神科認定看護師とは
精神科認定看護師とは、精神科認定看護師教育課程を修了した上で本制度における認定審査に合格し、精神科の看護領域において優れた看護能力、知識を有すると認められた者をいい、以下の役割を果たします。
- すぐれた看護実践能力を用いて、質の高い精神科看護を実践すること。
- 精神科看護に関する相談に応じること。
- 精神科看護に関する指導を行うこと。
- 精神科看護に関する知識の発展に貢献すること。
当センターには3名の精神科認定看護師がおり、それぞれの役割を持ち院内外で活動をしています。臨床での実践だけでなく社会情勢の変化や精神保健医療を取り巻くニーズに沿い、新しい知識やスキルを身につける自己研鑽も欠かせません。精神看護は医療の領域だけでなく、全ての人を対象として精神健康の保持増進を目的にする学問です。人は疾患の有無にかかわらず、人によって癒され他者との出会いに支えられ、成長(回復)していくことができます。患者様へのケアだけでなく、職場のスタッフの皆さんへ精神科で働くことの喜びややりがいを感じてもらえるように日々頑張っています。
専門分野:薬物療法看護
(平成27年度の制度改正に伴い、現在は専攻領域は統合されています。)
当センターでの役割:教育担当
精神科看護は奥が深く、何年経っても興味が尽きることがありません。
日々いろいろな方から、様々なことを教えられながら仕事をしています。
精神科看護の魅力(しんどさも含めて)を一緒に勉強しましょう。
教育主任 余傳節子
専門分野:行動制限最小化領域
(平成27年度の制度改正に伴い、現在は専攻領域は統合されています。)
当センターでの役割:行動制限最小化委員長
精神科では治療上、精神保健福祉法による隔離・拘束を行うことがあります。多職種と連携して隔離や拘束が短期間になり、行動制限による苦痛を和らげるように、委員会で活動しています。
院外においては、研修講師や地域から依頼を受けたメンタルヘルスをテーマにした住民向け学習会の講師などを行っています。
司法精神入院棟 服部朝代
専門分野:退院支援領域
(平成27年度の制度改正に伴い、現在は専攻領域は統合されています。)
当センターでの役割:退院支援、研究指導
児童思春期入院棟、司法入院棟、救急急性期入院棟での経験を活かし、現在は在宅支援部門で地域移行、地域定着を目指した役割を担っています。
好きな言葉は【リカバリー】。いろいろな方のリカバリーの度合いに寄り添う日々では、リカバリーの形は想像以上に多様で私自身が日々成長させていただいています。
相談支援センター鹿田 中井志穂
専門看護師
専門看護師は、専門看護分野において以下の6つの役割を果たします。
- 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
- 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
- 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
- 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
- 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
- 専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)
当センターには1名の専門看護師(精神看護分野)がおり、保健医療福祉の発展に貢献しているだけでなく、院内の看護教育に力を入れ職員の看護学の向上を図っています。
CVPPP(包括的暴力防止プログラム)インストラクター
CVPPPとは
CVPPPとは、包括的暴力防止プログラム(Comprehensive Violence Prevention and Protection Programme:CVPPP)の略で、単に身体的介入だけでなく当事者中心に考えケアする(Person-Centered)という理念を基に包括的に暴力を予防・防止するプログラムです。
CVPPPインストラクターとは
CVPPPインストラクターとは、『日本こころの安全とケア学会』の基準に基づき、審査に合格し、インストラクターの認定を受けた人のことを指します。
インストラクター審査の基準は以下のとおりです。
- 日本こころの安全とケア学会認定する学術雑誌などに基準を満たす内容で論文その他の著作を学会が規定する期間内に発表したことがあること。または日本こころの安全とケア学会学術集会で演題発表をし、その内容がインストラクターの資格としてふさわしいと学会が認めていること。
- 日本こころの安全とケア学会が認定するインストラクター研修を受講し、インストラクターの能力があると認められていること。
当センターには5名のインストラクターと多数のトレーナーが在籍しており、CVPPPの8つの原則に基づいた専門的な知識・技術が正しく理解され、当事者と臨床の狭間がつながるように、協力して活動しています。
院内活動
年2~4回、CVPPPの院内研修を実施しています。
◎臨床現場での実践に繋げるための研修として・・・
・理念に基づいたケアについてのオンデマンド研修
・理念に基づいたケアとしての身体介入研修
・場面設定を行い当事者目線の動画を撮影し、スタッフの対応がケアとなるかを考えていく研修
◎CVPPP推進委員会
院外活動
CVPPPトレーナー養成講習会
院内外の医療福祉関係者を対象にCVPPPトレーナーを養成する4日間研修を実施しています。院内では年間5名程度がCVPPPトレーナー資格を取得しています。
CVPPPトレーナーフォローアップ研修
CVPPPトレーナー資格取得者を対象に、2年に1回、専門的な知識・技術を振り返ることを目的として研修を実施しています。
様々な通して、院内外にCVPPPの理念である当事者中心のケアを普及するために日々活動しています。また、研修では看護職だけでなくケアに関わる様々な領域の皆様と関わることで、共に考え成長させてもらっています。
認知行動療法 専任看護師
平成28年度の診療報酬改定により、認知行動療法の実施者が、医師のみから看護師も含まれるようになりました。
必要な条件である研修、スーパーバイザー、実践件数を満たし、厚生局より受理された看護師が特定医師と共同して認知行動療法を実施し、算定を取ることができます。
認知行動療法は自分で自分の症状をコントロールする力を高め、困難を乗り越えていけるような力を強めることを目標にとする心理療法の一つとされ、病気の回復促進、再発予防として推奨されています。
院内での役割
クリニックや他院、当センターの医師からの依頼を受け、医師と共同して認知行動療法を行っています。また、当センター入院中の患者さんを対象とした「うつ病疾病プログラム」にて認知行動療法の紹介をしています。
外来 看護師 黒木直美
DPAT(災害派遣精神医療チーム)
DPATとは、Disaster Psychiatric Assistance Team(災害派遣精神医療チーム)の略で、自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの集団災害の後、被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行う専門的なチームのことです。精神科医、看護師、業務調整員(事務職員等)を含めた数名で構成されます。
【主な活動内容】
- 医療救護班、保健活動と連携し、精神科医療の提供
- 支援者支援
- 普及啓発
【活動場所】
- 救護所
- 避難所
- 仮設住宅等
【対象者】
- 被災前から精神科疾患に罹患している方
- 被災後、精神的不調を訴える方
- 支援者(地域医療従事者、救急隊員、行政職員等)
【おかやまDPAT】
- 平成年月災害拠点精神科病院に指定
- 日本DPAT先遣隊に指定
【おかやまDPATの活動実績】
- 東日本大震災(2011年3月)
- 熊本地震(2016年4月)
- 西日本豪雨災害(2018年7月)
- 中国武漢からの帰国者対応(2020年2月)